人生

「一橋大学アウティング事件 裁判経過の報告と共に考える集い」に行って思ったこと(3)

前回のはこちら legomena.hateblo.jp ひとまず言えること 主に絶望について ここまでで言ってきたことを整理する。 アウティングは、秘密を打ち明けた者が抱いていた信頼に対する裏切りであり、その限りで暴力である。 重大な秘密を打ち明けることは、確かに…

寒い

相変わらず修論を書きたくなさ過ぎて街に繰り出す。上野駅の広小路口より出て商店街に入り、暫くして右に曲がり、アメ横や道路を横切って、次いでオークラ劇場のある細い道を通って不忍池に出る。 幾らか前には青く茂っていた蓮が、今はすっかり立ち枯れにな…

「一橋大学アウティング事件 裁判経過の報告と共に考える集い」に行って思ったこと(2)

前回のはこちら legomena.hateblo.jp 被告の立場から考える 前回の投稿では、アウティングが持つ暴力性というものをこれでもかとなじったわけだが、しかし、アウティングした側ばかりを一方的に断じることに、いくらかの後味の悪さが残るのも事実である。あ…

「一橋大学アウティング事件 裁判経過の報告と共に考える集い」に行って思ったこと(1)

去る5月5日、明治大学駿河台キャンパスにて「一橋大学アウティング事件裁判経過の報告と共に考える集い」というものがあったので、行ってきた。 御茶ノ水にある駿河台キャンパスには、リバティタワーという、校舎にしてはやたらと巨大な23階建てのビルがそび…

出会いについて

おとといの夜のこと。あの日は上野の街を徘徊していた。安くて適度に人の入っている居酒屋を求めていたのだ。無論、安いのがいいことは言うまでもないが、程々の込み具合の飲食店というのは、そこに身を置くことで、自分自身の個が多数の中に埋もれることも…

立岩真也『私的所有論 第2版』目次

私的所有論第2版 目次 序(第2版序) 第1章 私的所有という主題1. 私的所有という主題2. 主題が置かれている環境 第2章 私的所有の無根拠と根拠1. 所有という問題2. 自己制御→自己所有の論理3. 効果による正当化と正当化の不可能性4. 正当化の不可能性 第3章…

立岩真也『私的所有論 第2版』第1章第1節

第1章は、『私的所有論』にて問われる問題を俯瞰し、同時に、その問題に対峙する際のある種の方法論を述べる章となっている。なお、原文では、第2章以降の構成が各節にてばらばらに語られているが、これについては最後にまとめて記す。 1. 私的所有という主…

立岩真也『私的所有論 第2版』序

初めに八つの問いが与えられる。後々引っ張りなおすかもしれないし、わざわざ自分の言葉で言い直す必要もないだろうと思ったので、ひとまずすべて引用する。 (1)一人の健康人の臓器を、生存のために移植を必須とする二人の患者に移植すると、一人多くの人が…

どくしょかんそうぶん『してきしょゆうろん』

『私的所有論』という本がある。これに巡り合ったのは多分、大学二年生の夏かそこらの頃である。知的にまだ多感だった僕は、見えない何者かにあたかも張り合うかのように、ニーチェだの倫理だの存在が云々だのといった、妙に小難しい本ばかり欲していた。そ…

雑多な思考

今週のお題「わたしの本棚」今、本棚が荒れに荒れている。去年の引っ越し時点で既に一杯だったところへ、読みもしないくせに「はじめに」の印象でふわっと購入された本たちが次々とねじ込まれた結果、収まりきらない分がこれでもかとばかりに平積みされた、…

試み

PCのフォルダを漁っていたら、あるワードファイルを見つけた。更新日時は2015/12/06。「結論から話すと、この文章は、僕は同性愛者であり...」という身も蓋もないフレーズで始まっていた。この時期はLGBTに関する様々なニュースが飛び交っていて、卒論やら院…

希望について

すべては偶然である。ただ理由もなくあの人は強く生まれ、この人は弱く生まれる。ただ理由もなくあの人は賢く生まれ、この人は愚かに生まれる。ただ理由もなくあの人は喜び、この人は苦しむ。ただ理由もなくあの人は生き、この人は死ぬ。人間は偶然を満たす…

さまざまな補足

例の呟きから一夜明けて、諸々の反響があったりなかったりしたのだが、とりあえず、混乱した脳をぎこちなく運転させながら昨日言えなかったこと/加えて言いたいことを補足する。文章がめちゃくちゃであるがそこはご愛嬌。・やはり欲望は正しい形で語られな…

昨日のツイートについて

昨日ぽろっと言ったように、僕はゲイである。 酔ってやけっぱちになってつい呟いてしまったのだが、以前からそろそろ公にすべきだとは思っていたので、あまり後悔はしていない。で、なぜそろそろ公にすべきと思っていたのかというと、いい加減黙っているのに…